一章 超常と温もり

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非日常的な日常は突然やってくる。 by俺 数日前、家族を失った。 よくある交通事故、俺と家族が乗っていた車とトラックの衝動。 中学卒業祝いにって大それた事でもないのに盛大に祝ってくれた帰り。 そのあと、ずっとふさぎこんで、ずっと誰にも会ってない。 親戚が葬式開いて、認めたくなくて、誰も居ない家にひきこもって それが今だ。 ピンポーン 丁度昼飯―デリバリーのピザだが―を食い終わると同時にチャイムが鳴った どうせ親戚の様子見だろうが、今日はなんとなく顔を出してみようと思い玄関に足を伸ばした。 まさかそれが非日常を超えた超常の始まりなんて誰が思うんだろうな。 ワタクシ 「私、巴大付属高校学生課のメフィスト=フェレスと申します。気軽にフェレスとお呼びください。」 突然やって来て悪魔の名前を語り、知らない学校の者だと言う感じの良い老紳士よ様な人物。 「あの……人違いじゃ…」 キシノ マコト 「岸乃 誠様で、間違いないと思いますが?」 ピタリと俺の名前を告げたフェレスさんとやら。 「そうですけど……何か?」 「巴大付属高校入学案内に参りました。」 突然何を言い出すかと思えば願書も出してないどころか知らない学校の入学案内。 バカじゃないのか。 「あの……フェレス…さんでしたっけ?僕は願書も出してませんし、そもそも巴大付属高校なんて知りません。やっぱり間違いじゃないんですか?」 「突然の事で混乱するのは重々承知しています。ですが誠様で間違いはありません。数日前、トラックのトラブルで衝突事故に巻き込まれ、ご家族を失われた誠様に。」 なんで知ってるんだ。 あの事故は新聞の地方欄にひっそりと書いてあるだけでニュースにはなってなかった。 認めたくない俺には都合が良かったけど。 「両親と妹を亡くされさぞ辛かったでしょう。」 この時俺は認めたくない事実を語るこの人物に苛ついていた。 認めたくない…死んでなんかない…何を言ってるんだコイツは。 「ですから我々は「五月蝿い!!そんな事は無いんだ!!皆…皆が死んだなんて認めない!!俺は知らない!!帰れ!!帰れよ!!」 思いきりドアを閉めた。鍵もだ。 「では…ご家族と相談して下さい。」
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