一章 超常と温もり

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入学式も終わり、各自が指示された教室に行く。 1-A クラスではもうザワザワと話をする連中がいるし、まだ緊張してる連中もいる。 俺はまだ前者寄りの後者、隣の席の奴に話かける程度だ。 「あ…よろしく。」 「…………よろしく。」 席が端で、隣が女の子だったのが原因だろうか。いつもの様にできなかった。 しかし…なんで俺は睨まれたんだろ? 「おーおー、入学したてにしては元気な連中だなおい」 いつの間にいたんだろうか。 教壇には担任らしき男が立っていた。 ロングの黒髪のつり目、柄の悪い感じだがこんなタイプの先生って男女関係なく人気だよな。友達感覚と言うのか。 「俺は1-Aから3-AまでのAクラスを受け持つルシファーだ。まぁ名前ぐらいは知ってるよな?」 ルシファー先生か、また神話とかゲームでお馴染みの名前だ。 「最初に、巴大付属高校の説明だ。いいか、この学校がお前らの新しい世界だ。国に関係ない法と摂理がある。」 「そして、家族がいる。仲間がいる。」 「お前らの中には家族だけじゃない、大切な何かも失った奴もいるかもしれねぇ。」 「でもな…それは俺らが…お前らが見つけて、繋いでやる。それを覚えとけ。」 しんと静まる教室…誰もが何かを感じたんだろう。 俺も、ここに来たときに決めた事を深く考えた。 「あー…次に寮生活の事だ。」 そう、この学校は全寮制。そりゃそうだ。この学校に来る前は皆1人だったんだから。 「寮はクラス事に別れる。つまりお前ら全員が同じ寮だ。」 少しだが、ざわついた。普通は女子寮とか男子寮だろ? 「わめくな。同じ寮で暮らす奴が家族だ。お前らは今をもってクラスメイトでもあり仲間でもあり、兄弟姉妹でもある。」 このクラス全員が…家族? 「ちなみに長男とか末っ子とかは生年月日で決めるからな。」 これには多少ブーイングが飛んだ。 「そして家長は俺様だ。喜べ。」 その態度だと喜んで良いのか悪いのか分かんないよな……うん。
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