失恋

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会社を出て、電車に乗って、駅で降りて、いまは家までの道のりをゆっくりと歩いている。 もう限界が近い… 家までまだあるのに… そのとき急に力が抜け足が崩れ道路に座り込んだ。 と、思いきや私の脇を掴んで支えてくれている人がいた。 「あの、ありがとうございます」 「いえ、それより熱は大丈夫ですか?」 「熱?ありませんけど…」 計ってはいないがここ最近熱は出ていないから油断していたみたいだ。 「ありますっ!おでこ、熱いですよ?」 「そっか。仕事頑張りすぎたかも…」 知恵熱かな?大人になって知恵熱って… 「家はどこですか?送ります」 「いいよ、遠いから」 「遠いんですか。じゃ、俺んちに来てください。部屋あるんで」 「い、いや!いいよ。迷惑だから!」 「迷惑じゃないです!いまにも倒れそうですよ!?何が何でも連れて行きます!」 「はあ~、わかったわよ。お願いします」 「はいっ」 彼におんぶされ心地いい揺れのなか、私の意識は薄れていった…
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