とあるヒーローの話

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なんか不思議なもんだけど 勇気が沸いて来るのは 僕の背中を照らしてる 太陽のお陰なんだろね なんか不思議なもんだけど 涙がちっとも出ないのは 僕の手をぎゅっと握ってる 君のお陰なんだろね 僕が君を守ります それが僕の役目です 高らかに宣言したなら 君は静かに笑った 私が君を愛します それが私の役目です だからどうか傍にいてと 君は静かに泣いたんだ 空なんて飛べなくても 強い力がなくても 君が笑うそれだけで 僕はヒーローになれるよ 世界が守れなくても 君が幸せであるなら たとえ僕が消えても 悲しむことなどないんだ ねぇ 笑ってよ どうしてそんな顔してるの ねぇ 気づいてよ どうして僕が分からないの 空なんて飛べなくても すごい力がなくても 君が笑うそれだけで 僕はヒーローで在れたんだ 世界なんて守れなくていい 君に幸せでいてほしい 僕は消えてしまうけど 悲しむことなどないんだ 頑張った僕へのご褒美に 最後一度だけ我が儘を言うよ 「笑って」
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