6人が本棚に入れています
本棚に追加
気づかない内に堂々巡りを続けていた私の思考は、いつの間にかとんでもない所へ来てしまった。誰もかも救えない、奈落。
ゆぅるり君の首を落として、庭に埋めてみようと思ったの。綺麗な椿の花が咲いてくれるような気がしたわ。一生をかけて愛でようと思ったの。また誰かが私を笑ったような気がしたわ。
残酷なまでの純粋さを伴って私を責め立てる空は、清々しいくらいに美しい青だった。どこかで誰かが泣いている。
「だからね、私がいなくなってみようと思ったの」
「意味が、分かりませんが」
分からなくていいよ。分からなくていい。そのままの君が好き。そのままの君を愛せる私が好き。終わりなんて、来なければいいのに。
そうでしょう。
(さようならを交わすのは、最期に愛を交わすとき。)
最初のコメントを投稿しよう!