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水に溶けて消えてみたい。
いつかの幼い夢の続きをもう一度、あの舞台の上で演じてみたかった。
貴方の隣を歩くあの人のようにはなれないもの。貴方と共に歩む足を手に入れたって、私は愛を囁けないもの。
貴方の喉に刃を突き立てる夢をみるの。
毎晩、毎晩。
それはとても甘美なもので。
世界中のあらゆる甘味にも、宝石にも、ましてや愛にも勝る、そんな。
いっそ逃げてみましょうか。
貴方と私、仲良く二人で逃避行。
足が無いなんて泣かないで。
私が何処まででも連れていく。
だから、
「大人しく食べられなさいな」
こうして今夜も、私は貴方に刃を突き立てるのだ。
(泣きたいのは私よ)
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