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「まあ良いよ。欠陥品ってところが僕にお似合いだ。もしかすると一心同体しれないぜ」
馴染は、一色の言葉を完全にスルー。全く相手にせず、変身する為のペンダントを、ギュッと握った。
一色は、スルーされたことに対しては敢えて何も触れずに話を戻し、「じゃあ説明するよ?」と言って“ERの代わりに付いている機能”というものについての説明を始めた。
「その機能っていうのはね、『一部のみの変身』なんだ」
「一部?」
「『待機』って言った後、すぐに『変身』とは言わず、スーツの出したい部位を言ってから『変身』といってみて」
「……? 『待機』」
『了解。起動準備に入ります』
馴染の言葉に反応し、ペンダントが光り、物理法則を無視して浮遊すると共に、電子音が耳に直接届く。
馴染は疑問符を浮かべつつ、何を出すべきか考え、結論として、武器のみをだすことにした。
「武器」
『『武器(ウェポン)』了解』
「部位変身に使う言葉は変更可能だから、変える時はあのヒーロースーツを作る機械の部屋の横にあった研究室の所に行ってね」
電子音の後言った一色の言葉に、あれ以上研究員の仕事を増やしたら研究員死ぬんじゃないかななんて考えもした馴染だが、取り敢えずは関係ないことの為、今は考え無いことにした。
「……『変身』」
そう声を発した馴染の腰に、重りが付けられたような感覚に苛まれた馴染が腰を見ると、背中の方にSF的な大型電撃砲にもなる鞘に収まった二本の長身な刀と、同じくその鞘の付属品であるかのように収まった鞘と同様のSF的な拳銃が、そこにはあった。
……本当に一心同体かもしれないぜ? 他の人達には無意味な能力だけど、僕にはぴったりだ。このどうしようもない欠陥品は。
馴染は、笑っていた。
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