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そんな音で、馴染の視線は玄関へと向けられた。そして視界に入ったのは、大きな段ボール。キッチリ整頓された部屋において段ボールがあるということは、若干異質な感じがした。
ピンポーン。
馴染は即座に段ボールの方へと歩いて行き、その中身を確認する。
ピンポンピンポーン。
すると中には案の定、馴染の私物。中には塗装する為の道具や、画材セット。ついでに、あの部屋で作られた馴染の作品が収められていた。
ピンポンピンポンピンポーン。
……作った物に関してはダストシュートしてくれて全然良かったのにな。実用性皆無だし、『鳳凰の羽ペン』とか以外は嵩張るし。
馴染は若干の不満を覚えつつも、取り敢えずは塗装道具だけを持ち、机の方へと戻った。
ピーン……ポポポポ~ン。
「五月蠅い!! でも塗装する為の道具は見つかったからありがとうウサギ!!」
あいさつするたびともだちふえるね。それは幻想だ。
馴染は、あまりのしつこさに勢いよく扉を開き、そんなことを叫んだ。
僕あのCM好きだったんだよね。しかも消えた理由が無能な人間による苦情だったなんて共感を覚えるよ。
馴染は、どうやったらインターフォンからああやって音が出るのかなんていう疑問には微塵も興味を示さず、そんなことを考えているのだった。
「……や。どう致しまして」
「あ、シアロだったんだ。何か用?」
「…………」
「……?」
馴染はシアロが何も言わなかったので扉を閉めた。
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