11人が本棚に入れています
本棚に追加
それから教室に戻り、担任が来るまでフリータイム
みんな第一印象を良くしようと必死だ。
どうせすぐボロがでるのに。
「はぁー。」
机に突っ伏そうとしたとき。
「ねー、ねー」
「ん?」
顔を上げると前の席の男子生徒が笑顔でこちらに体を向けていた。
なんかワンコロみたいな奴だな。
明るめの茶髪で少しくせっ毛らしい髪で、とびきりスマイルと、それを象徴するようなえくぼ。
「俺、加藤淳平(カトウジュンペイ)。
淳って呼んで!おたくは?」
「上坂透馬。お好きに呼んで。」
「トーマスとかでもいい?。」
「上坂か透馬にしてくれ。」
「んじゃトーマね。」
「トウマだ。」
「呼びづらいからトーマ。」
「トーマスって呼ぶなよ?」
「もしかして、小学生時代にトラウマあり?」
「あ゛?」
「ビンゴなのね・・・
そういや部活どうする?」
馴れ馴れしい奴・・・
けど、嫌いじゃねぇな。
「お前は?」
「俺が質問したのに。
しかもお前じゃなくて淳!」
「わぁーったよ。淳は?」
「サッカー部!
俺、中学のときからサッカー部でサッカー大好きなの!
サッカー一筋だぜ!!」
「ふーん。」
「トーマは?中学で何してた?」
「無所?」
「なぜ疑問形?」
「無所。」
「つまんねー奴。
青春を桜花させなかったわけ?」
「・・・。」
青春ねぇ・・・。
そんなもん、俺の中学時代にあったかね。
最初のコメントを投稿しよう!