僕らのはじまり

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それから教室に戻り、担任が来るまでフリータイム みんな第一印象を良くしようと必死だ。 どうせすぐボロがでるのに。 「はぁー。」 机に突っ伏そうとしたとき。 「ねー、ねー」 「ん?」 顔を上げると前の席の男子生徒が笑顔でこちらに体を向けていた。 なんかワンコロみたいな奴だな。 明るめの茶髪で少しくせっ毛らしい髪で、とびきりスマイルと、それを象徴するようなえくぼ。 「俺、加藤淳平(カトウジュンペイ)。 淳って呼んで!おたくは?」 「上坂透馬。お好きに呼んで。」 「トーマスとかでもいい?。」 「上坂か透馬にしてくれ。」 「んじゃトーマね。」 「トウマだ。」 「呼びづらいからトーマ。」 「トーマスって呼ぶなよ?」 「もしかして、小学生時代にトラウマあり?」 「あ゛?」 「ビンゴなのね・・・ そういや部活どうする?」 馴れ馴れしい奴・・・ けど、嫌いじゃねぇな。 「お前は?」 「俺が質問したのに。 しかもお前じゃなくて淳!」 「わぁーったよ。淳は?」 「サッカー部! 俺、中学のときからサッカー部でサッカー大好きなの! サッカー一筋だぜ!!」 「ふーん。」 「トーマは?中学で何してた?」 「無所?」 「なぜ疑問形?」 「無所。」 「つまんねー奴。 青春を桜花させなかったわけ?」 「・・・。」 青春ねぇ・・・。 そんなもん、俺の中学時代にあったかね。
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