僕らのはじまり

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その日の放課後、部活動見学と部活勧誘が盛んに行われていた。 ドコも必死だな~。 さっき軽音部を見に音楽室に行ったら金髪と銀髪と青メッシュと赤メッシュが円になってタバコを吸ってるのを見て俺は何事もなかったかのように通り過ぎた。 ナイス判断俺。 あそこまで悪に染まる気はない。 っつか出来ない。 だってチキンだもの。 外の部活を見に行った帰り、ある部活の部室が目に入った。 『陸上部』 何かに誘われるようにして、気がついたらドアをノックしていた。 「はぁ~い。」 気の抜けた返事が返ってきた。 「失礼します。」 「ごめんね、今僕しかいないの。」 「そうですか。」 「君、新入生だよね? もしかして新入部員? うわー、噂知らないのかな? 知って入ったら、まさしく変人だけどね~。」 俺は、この人の言ってることが全く分からなかった。 噂?なんだそれ。 「でもまぁ新入部員は歓迎しなきゃ! 晴紀が喜ぶぞ! そういや名前は?」 「上坂透馬です。」 「上坂ね。 僕は錦。錦亮太(ニシキリョウタ)。 晴紀が亮って呼ぶのは僕のことだから。 一応、副部長。 種目はハードルだよ~。」 「部長は一条先輩ですか?」 「もちろん。 晴紀は今日は部活来れないから明日また来るといいよ。」 「分かりました。 一条先輩の種目は何ですか?」 「100Mだよ。」 「そうですか。 じゃあ失礼します。」 錦先輩、変わった人だったな。 それに部員3人って、あと1人はどこに? しかもネクタイの色からして錦先輩も一条先輩も2年だよな。 3年はいないのか? あと、噂ってなんだ? 1番の問題は・・・ なんで錦先輩、練習してなかったんだ?
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