1人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
男の子は私の名前を呼んでいた。
教室に1人身を縮めて。
「みんちゃん……みんちゃん」
みんちゃんというあだ名は由美子の、「み」に「ん」をつけてただ音の響きだけで決めた物だった。
そして、このあだ名を使っていたのはただ1人……
見渡せばそこがあの教室だと気付いた。
そう、旧演劇部だ。
私は目が覚めると泣いていることに気付いた。
「どうして今まで忘れていたんだろう」
彼の名前は吉井裕。
ゆう君だ……
最初のコメントを投稿しよう!