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「嘘でしょ・・・なんでまた・・・。」
徳利の拾い主である友人達が
「後ろから誰かに押された」
次々と現世から姿を消して逝く。
「上から物が・・・。」
一人ずつ・・・
「夜道でなにかに・・・」
一人ずつ・・・
「私は・・・」
村人達は次第に噂をし始める。
「あの徳利よ。
あれが原因に違いないわよ。」
「あの酒を飲んだ奴ばかり事故にあってる・・・。」
「呪われた徳利だ」
そして・・・
酒が出るとはいえ、
その徳利は人々から避けられるようになった。
しかし・・・
「うまくいきました。
これで徳利があの家(拾い主の家)からなくなっても誰も気にしません。」
徳利を手に自分の家に帰る、
拾い主の友人の最後の一人。
「みんな馬鹿ですねぇ・・。
呪いとかそんなものがあるわけないのに・・・。」
女は満面の笑みを浮かべて笑い出す。
「これさえあれば原価ゼロで酒が売り放題。
あっという間にお金持ちですよ。」
そう独り言を言い、
予め用意しておいた空の酒樽に徳利を振り始めるのであった。
しばらくして・・・
「・・・なんだか吹雪いてきましたね。」
外からは強い風の音が聞こえてくるも、
余り気にせず酒樽に徳利を振り続けた。
「それにしても、
樽いっぱいになるまで振り続けるのは結構めんどくさいです。」
と、その時。
「ん?あれ・・・出ない?」
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