あの時の二人

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翌日、とある高級マンションで衰弱した御父様の秘書が病院に運ばれたと使用人が噂していた。 何でも何かに咬み付かれた後が身体中にあったそうだ。 御母様曰わく、呪詛返しを喰らって使い魔に襲われたかららしい。 覚悟を持たぬ者が悪戯に手を出す事が適わぬ領域。 身の丈を知らずに御母様に挑もうとした結果がこれだ。 尤も、やったのは静だけど。 静はまだ寝てる。 昨晩の疲労が祟ったんだ。 他の友達は普通に起きて遊びに出掛ける程まで回復したと云うのに。 気が付くと、私は静が寝ている部屋の前に来ていた。 どうしよう… お礼したいけど、私の為に疲れてるんだ。まだ寝ていたら、起こしたら申し訳無い。 ノックしようか躊躇っていると、ドアが開き、尚美伯母様が驚いた顔をして現れる。 尚美「どうしたのリリム?委織達と遊びに行かなかったの?」 リリム「は、はい…静の様子が気になっちゃって…」 モジモジと身を捩り、何故か頬が赤らんだ。 尚美伯母様は何故か物凄く驚いていたけど、起きたら直ぐに向かわせるとぎこちなく笑った。 尚美伯母様の様子がおかしかったが、私はそのまま部屋に戻って静が目覚めるのを待つ事にした。
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