ここは『出る』らしい

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プルルルル…プルルルル… んー?電話だ? 事務所のじゃなく携帯からか… 事務所のだったら、もしかしたら依頼とか期待しちゃうんだけど、携帯は知り合いだけだからなー。 ちょっとガッカリしながらディスプレイを見る。 静「印南おじさんからだ。」 友里亜「ひょっとして、仕事の話じゃない?印南のおじちゃん、事務所立ち上げた時にお祝いで仕事回すとか言ってたじゃん!」 友里亜と顔を見合わせてニカーッとし、慌てて電話に出る。 静「もしもし!印南おじさん、お久しぶりでーすっ!!」 印南『静、久し振りだな。元気か?』 印南おじさん、相変わらずシヴイ声だ。 仕事…いや、ここで焦って切り出してはいけない。 世間話を交えて、さり気なぁく、さり気なぁく切り出し、相手が気付いたら約束していた、ってのが理想的っ! 絶対にゲットするよ仕事っっっ!! 静「んーと…委織と武蔵兄ぃは元気ですかぁ?」 印南『ん?武蔵は現場にバンバン出てて煙たがられているんじゃないかな?キャリアのくせに身体張っているからな。まぁ、俺が言いつけたんだが。委織はお前の事務所に入ると駄々をこねてるよ。ハッハッハ!』 へー。武蔵兄ぃ、キャリア組なのに普通に現場出てんだ。  凄いなぁ。格好いいなぁ。 って、感心している場合じゃない。 さり気なぁく、さり気なぁく、仕事の話をっ! 改めて集中する。 友里亜が顔を汗まみれにしながらウンウン頷いている。
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