あの時の二人

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リリス「それはそうと、破邪の光などいつ覚えた?君のママ以外で使える者は極僅かな程の上級の術な筈だぞ?」 一転して真剣な表情になり、静の目をじっと見つめる。 静「お昼頃かなぁ…」 リリス「お昼?今日の?」 コクンと頷き、続ける。 静「私がやるって言ったら、神様にいっぱいお願いしてくれて、じゃ一回だけって許してくれたの。」 リリス「……成る程…流石は静の『加護』だ。私からも御礼を申し上げます。娘を、家族を守っていただき、ありがとうございます。」 御母様の土下座なんか初めて見た!! 背中の産毛がザワザワした。 『あの人』はそれ程凄い人なんだ… だから私も真似て正座をこしらえて深々と頭を下げた。 静「良かったね、って言って笑ってる。」 クシシと笑う静。 笑っているのは静もだろうと言いたかったが、上手く言葉が出てこない… 胸がドキドキして顔が火照って仕方無い。 「う…うんん…」 と、その時、御父様が頭を振りながら起き上がった。 「こ…ここはリリムの部屋…?私は一体…?」 そんな御父様を高みから見下ろす御母様。 私の手をしっかり握り締めて。
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