ここは『出る』らしい

2/30

29174人が本棚に入れています
本棚に追加
/240ページ
何も無い、過疎っている田舎町。 夜を照らす街灯すら点いていない所もある。 夜に遊びに出たいのなら、殆ど遠出になる。 バスも一時間に一本、電車は廃線になって久しい。 故に車は必要不可欠だ。 この街の人間は、そのような理由で殆どは18歳には車の運転免許を取る。 この柏木と云う青年も例に漏れず、18の誕生日には運転免許を取得した。 柏木「あぁ~…暇だが眠れね~…」 友人達と遊びに出ようと促したが、生憎今日は誰も捕まらない。 暇を持て余した柏木は、深夜になろうとしている時間に、ドライブと洒落込んだ。 何時もならば同じ思いの悪友の2、3人は捕まるが、今晩は当てが外れた。 じっとしているのも癪だった柏木は、目的も無く、ただダラダラと流していた。 本当にただ 流していただけだった。
/240ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29174人が本棚に入れています
本棚に追加