ここは『出る』らしい

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とある田舎町の鉱山跡地に向かう舗装道路で、死亡事故が多発した。 ガードレールに激突、もしくは旧施設の壁に激突。車は大破、運転者及び同乗者が殆ど死亡。 この10年で死者は43名、重軽傷者は105名に及んだ。 この鉱山跡地は心霊スポットとして有名であり、肝試し等の若者が事故多発以前から数多く訪れている場所である。 以前は何の変哲も無い、ただの閉鎖した施設だったが、廃墟の風貌から肝試しスポットとして有名だったらしい。 不思議なのは、現在でも町の管理者や山菜採り等の人間か訪れていて、その全てが事故を起こした事が無い。 この事から、当局も若者の暴走行為の結果の事故として処理しており、今まで対応が遅れていた。 この件が超常現象として認定されたのは、事故を起こした車の同乗者からの証言である。 証言によると、事故を起こす前に、髪を伸ばしっぱなしの状態の青白い痩せこけた男が現れ、停車している車のエンジンを掛けたり、首を絞めたり、あるいはただニヤニヤと見ていたりするらしい。 男の特徴は微妙な違いはあるが、ほぼ一致する事から、霊による事件として漸く超常現象事件として扱われる事になった。
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