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印南「ふぅ…これでいいのか?」
依頼の電話を終えた俺は、裏山の中央でふんぞり返って茶を啜っている北嶋に確認をした。
北嶋「あ~…いいんじゃねぇの?俺は知らん。」
必要以上に茶を啜る音が高い。
静が心配なのか、無理やり請けさせられた事が気に入らないのか、はたまた両方か…
印南「大丈夫だろ。『あの人』が指示した事だからな。あまり機嫌悪くなるなよ。ウチの委織も行かせたい所だ。」
北嶋「だから俺に言うな。」
相変わらずムッとしている北嶋。
やれやれ、面倒な奴だな。と苦笑する。
葛西「おい…」
北嶋「何だ?」
葛西「テメェ等がやりたい事は理解した。だがな…」
葛西がプルプルと震えている。
まぁ無理も無いか、と再び苦笑する俺。
葛西「何で俺が拘束されなきゃならねぇんだよ馬鹿野郎!!」
葛西は北嶋の家に着くなり、グレイプニルで身体を縛られて身動きができない状況にされていた。
今は少し落ち着いたが、さっきまで転がって暴れていた。
北嶋「お前の嫁が娘を助けに行こうとするから動けないように縛ってくれっつったからだ。」
葛西「ふざけんな馬鹿野郎!万が一に備えるのが俺だけでも良いだろうが!!」
顔を真っ赤にして再び暴れ出す葛西。
と云うか、いい歳のオヤジが鎖で身柄を拘束されているシュールな絵なんか、初めて見た。
葛西には悪いが、俺は声を殺して笑っている。
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