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北嶋「俺達に文句言っても仕方ないぞ葛西。これはお前の嫁の願い。お前の嫁は『奴』の命令に背かないしな。友里亜が世話になってるから。」
こんな状態の葛西に対しても平然として茶を啜る北嶋。
コイツは鬼か?と言いたくなる。
本物の鬼神使いは拘束されて転がっているが。
葛西に「うるせえ!友里亜あ!今父ちゃんが助けに行くからなぁ!待ってろよお!!」
最早娘を想う一心のみが葛西を動かしているのだろう。
グレイプニルにギッチギチに拘束されながらも無理やり立ち上がり、ピョンピョン跳ねて裏山から出ようと試みている葛西。
同じ娘を持つ親の身としても胸が熱くなる。
北嶋「お前、そんなナリで友里亜の所に行くつもりか?友里亜が何て言うかだな。」
北嶋の言葉にピタリと止まり、ゆっくりと振り向いた。
葛西「…どう言う事だ?」
印南「ああ、そんな縛られている状態で娘に会いに行ったら、例えば俺の立場なら、委織なら凄い嫌な顔すると思うな。」
心配もするだろうが、それを通り越して恥ずかしさが先に立つに決まっているだろう普通。
葛西。「…じゃあやっぱり解けよ?」
北嶋「だから嫁に言え。女達は日本庭園で茶飲んでいる筈だからな。」
北の方に指を向ける北嶋。
ここから跳んで行きながら嫁に許可を得て来い。
と、暗に言っているのだ。
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