29175人が本棚に入れています
本棚に追加
/240ページ
―――所で尚美さん…少し聞きたい事がありますが、宜しいでっしゃろか?
尚美「え?ええ。何なりと。」
何だろう。
黒猫様の表情が変わった。
困惑しているような、不可思議な物を見たような…
そんな感じだ。
緊張する私。
黒猫様がそっと手を伸ばす。
―――あれは一体、何ですか?
伸ばした先を見る………
ソフィア「………すみません…私の旦那です…」
申し訳無さそうに頭を下げるソフィア。
黒猫様の手の先には、グレイプニルでガチガチに縛られたソフィアの旦那様が真っ赤な顔をしながらピョンピョン飛び跳ねて此方に向かって来る様子が見えた。
―――いや、あれが葛西 享君なのは充分承知どすが…何故あんな事になっているのかと云う事なんどすが…
リリス「ああ、それは…」
言い難そうなソフィアに代わり、リリスが経緯を説明する。
―――…ははぁ…成る程…それで…
全て納得し、頷いた黒猫様。
葛西 享の娘への溺愛っぷりは有名だ。
危険な賭けとも云える今回の依頼に大人しくしている筈は無い。
あそこまで拘束したのはウチの人の悪戯もあるだろうが、殆どの仲間なら納得する所だろう。
最初のコメントを投稿しよう!