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ソフィアは腰に手を当てて軽く溜め息を付く。
ソフィア「そうね…確かに此方の家に色々ご迷惑を掛ける事になるからね…」
そう言って持っていた鞄から封筒を取り出す。
葛西「そりゃ友里亜に渡した今回の依頼の書類じゃねぇのか?」
ソフィア「あれは既に送ったわ。これは切り札よ。」
そう言ってガサガサと封筒から一枚の紙を取り出して旦那様に掲げて見せた。
リリス「!これは…」
尚美「随分思い切ったわね…」
流石に私達も戦慄を感じざるを得ないソフィアの切り札…
旦那様なんかさっきよりも遥かに大量の汗をかき、ガタガタと震えている。
葛西「ソフィア…お前そこまで…」
ソフィア「そ。もしも友里亜を助けに行ったら、この離婚届を提出させて頂きます。」
しれっと言い放ち、仁王立ちまでしてみせている。
その離婚届には、既に双方の名前が記されており、印鑑まで押されている。
つまりこのまま役所に提出すれば、二人は晴れて他人同士となる。
ソフィア「この条件を飲むのなら、グレイプニルは解きます。どうしますかあなた?」
ガタガタ震えながら返事に躊躇している旦那様。
だが、直ぐに力無く頷く事になった。
飲まないと云うのなら、みんなの意思を無視して助けに向かうと言っているようなものだから。
この勝負
ソフィアの圧倒的勝利で幕を閉じた……
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