29175人が本棚に入れています
本棚に追加
/240ページ
友里亜が意識を集中すると、佐久間さんの現状が私にも流れてくる。
リリムの方も同様にだ。
私はみんなが霊視した物を、それを介して視る事ができる。
云うなれば、友里亜とリリムがテレビカメラとアンテナの役割をして、視聴者である私が二画面同時視聴をしている状態だ。
これは『同期』の中でも私だけが可能な特技。
特技?うーん……特技でいいや。
いずれ皆もできるだろうが、今の所私だけができるから特技って事にしとこう。
友里亜の視界…佐久間さんが自分の部屋かな?で、もの凄い隈を作って睡魔と戦っているように、コックリしてはハッとして起き、コックリしてはハッとして起き、を繰り返している。
それにしても…
友里亜「うわ!きったない部屋…」
確かに佐久間さんの部屋は飲みかけのペットボトルがテーブルの上にズラーッと並べられ、食べかけのお弁当やパンが放置されている。
間違い無くゴキブリ多発地帯となっている部屋だ。
リリムの方は…
ピンクピンクの部屋だけど、ガラスが割れ、テレビなんかひっくり返して画面を見れなくしているばかりが、パソコンも何かで殴ったように破壊されている。
ベッドで体育座りしてブツブツ言っているし。
リリム「出るんだろうな。テレビやパソコンから。または壁や窓からも、な。」
割れたガラスはガラス越しから東雲を見たのか、物を投げつけて割ったようだし、間違い無さそうだ。
最初のコメントを投稿しよう!