邂逅

5/22

29175人が本棚に入れています
本棚に追加
/240ページ
気配は、ぬうっと顔を佐久間さんに近付けてくる。 蛇に睨まれた蛙の如く固まった儘微動だにしない佐久間さん… 目を見開き、大量の汗が額から流れている。 ……クッ 今笑った? ……クックックックッ… 間違い無く笑っている気配。 静「友里亜ぁ~。東雲の姿も視せてよ?」 友里亜「無茶言うない!これは佐久間さんの残留思念だもん!佐久間さんが見てないなら視れないよ!」 あ、そっか。 これは被害者が過去に視た映像か。 ても、昨日一昨日の話だろうけど。 ん?三浦さんは姿を見たんだっけ? ならば、とリリムの方を視てみる。 此方もベッドの上で体育座りを崩していない。 ただ、ブツブツと何か呟いているが。 「……生きたく無い…もう死にたい…生きるのは疲れた…」 ……東雲に洗脳されているのか? 自殺を促されているみたいな感じだ。 三浦さんの方はそろそろヤバいのかも知れない。 …コンコン… ドアのノック音に反応し、其方の方に首を向ける三浦さん。 いや、違う。 ノック音は窓から聞こえた。 証拠に、三浦さんは窓の方向を見ている。
/240ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29175人が本棚に入れています
本棚に追加