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気配は、ぬうっと顔を佐久間さんに近付けてくる。
蛇に睨まれた蛙の如く固まった儘微動だにしない佐久間さん…
目を見開き、大量の汗が額から流れている。
……クッ
今笑った?
……クックックックッ…
間違い無く笑っている気配。
静「友里亜ぁ~。東雲の姿も視せてよ?」
友里亜「無茶言うない!これは佐久間さんの残留思念だもん!佐久間さんが見てないなら視れないよ!」
あ、そっか。
これは被害者が過去に視た映像か。
ても、昨日一昨日の話だろうけど。
ん?三浦さんは姿を見たんだっけ?
ならば、とリリムの方を視てみる。
此方もベッドの上で体育座りを崩していない。
ただ、ブツブツと何か呟いているが。
「……生きたく無い…もう死にたい…生きるのは疲れた…」
……東雲に洗脳されているのか?
自殺を促されているみたいな感じだ。
三浦さんの方はそろそろヤバいのかも知れない。
…コンコン…
ドアのノック音に反応し、其方の方に首を向ける三浦さん。
いや、違う。
ノック音は窓から聞こえた。
証拠に、三浦さんは窓の方向を見ている。
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