邂逅

9/22

29176人が本棚に入れています
本棚に追加
/240ページ
鉱山跡地の施設前… 入り口にバリケードと頑丈そうな鍵が設置されている。 立ち入り出来ないように施錠しているんだ。 東雲の気配は…無い。 東雲どころか地縛霊の一人も居ない。 やはり中に入らないと解んないか。 そのまま扉を通り過ぎ、中へ侵入していく。 当たり前だが暗い。 窓には全て板を打ち付けているようだし、日光が入らない。 このような状況でも地縛霊の一人も居ないのは少しおかしい。 廃墟には行き場の無い霊魂が住処にする。 また通りすがりの霊魂も無い。 これだけ『綺麗』だと云うのに、空気が汚れている。 意味解んないなぁ… 取り敢えず進んでみる事にした。 気配を探りながら進んで行く私… 居ない… 居ない訳が無い。 どこかに隠れている? コンクリートで塞がれた横穴に到着。 この奥に居るのか? 壁を抜けて横穴に入る。 うわ、さらに真っ暗って… 閉鎖してから地下水も処理していないのだろう。 岩肌に苔がびっしり生えている。 カビみたいで気持ち悪いなぁ… ズンズン進むと、やがて行き止まりに当たった。 この先には冥穴があったが、今は崩壊して消滅しているみたいだ。
/240ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29176人が本棚に入れています
本棚に追加