29177人が本棚に入れています
本棚に追加
静「ゼェ…ゼェ…お、思い出したのよ。」
友里亜「思い出した?何をさ?」
静「パパが怖い事をっ!!」
東雲の根城を霊視した時、やはり最初は他の霊能者と同じように探せなかった。
私が『北嶋 静』と名乗ったら自ら現れた。
憎しみの対象、今の自分の原点として。
パパを殺したくて殺したくて仕方無い東雲。
自らに呪を施し、あれほどの悪霊となった。
だけど原因も思い出したんだ。
パパに壊されてこうなった自分を。
名乗った矢先に襲って来なかった東雲。
確認をしてきた東雲。
それで解った。
未だにパパにビビっている。と。
本当にパパを殺すつもりならば、名乗った時点で瞬時に殺しに来ていた筈。
一呼吸置き『覚悟』を決める必要は無い筈だ。
そして未だに怖がっているパパは、自分をいつでも滅する事ができるのを知っている。
被害者の命を取らなかったのは、『北嶋が視ているかも知れない』と云う恐怖心から。
少なくとも私が視ている筈だから、私から伝わる事も頭のどこかで考えてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!