邂逅

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静「ゼェ…ゼェ…お、思い出したのよ。」 友里亜「思い出した?何をさ?」 静「パパが怖い事をっ!!」 東雲の根城を霊視した時、やはり最初は他の霊能者と同じように探せなかった。 私が『北嶋 静』と名乗ったら自ら現れた。 憎しみの対象、今の自分の原点として。 パパを殺したくて殺したくて仕方無い東雲。 自らに呪を施し、あれほどの悪霊となった。 だけど原因も思い出したんだ。 パパに壊されてこうなった自分を。 名乗った矢先に襲って来なかった東雲。 確認をしてきた東雲。 それで解った。 未だにパパにビビっている。と。 本当にパパを殺すつもりならば、名乗った時点で瞬時に殺しに来ていた筈。 一呼吸置き『覚悟』を決める必要は無い筈だ。 そして未だに怖がっているパパは、自分をいつでも滅する事ができるのを知っている。 被害者の命を取らなかったのは、『北嶋が視ているかも知れない』と云う恐怖心から。 少なくとも私が視ている筈だから、私から伝わる事も頭のどこかで考えてしまった。
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