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友里亜が眉尻を釣り上げて私の襟を掴んで持ち上げる。
友里亜「…何だよそれ…あんま私を舐めんなよ静…」
静「舐めてるつもりは無いけど、やっぱ危ない橋は渡らせたく無いじゃん…」
いざとなったらクロを喚んで問答無用で潰せばいい。
リリム「伯父様は『三人でやれ』と言ったんだ。シー一人じゃ勝てなくとも、三人ならば勝てると云う意味でもある。」
諭すように話すリリムだが、パパは多分三人でも勝てないと思っている筈。
狙いは私達のレベルアップなのだから、何かの干渉が有る筈だ。
それが依頼失敗が引き金となり発動するのかも知れない。
二人から視線を反らして考える私…
そんな私の胸座を揺さぶる友里亜。
友里亜「依頼請けたのは私だ!」
いや、確かにそーだけど…
リリム「シー…例えばシーが『来るな』と言っても、私達『同期』はシーをみすみすピンチに追い込む事はさせない。私達『同期』はシーに助けられたのだから。」
静「『聞いて知った』のが私なだけじゃん。聞けば、知ればみんな助けるよ。」
友里亜もリリムも、親に言えない事もある。
だけど私だけは『聞ける』から知る事ができる。
あの時もたまたまそうだっただけなのに、みんな律儀なんだな、と、嬉しく思ってはにかんでしまった。
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