あの時の二人

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あれは11歳の頃… 私は学校でイジメられていた。 母ちゃん譲りの外国人の顔。 ナチュラルブラウンの髪。 長い手足。 小学生にしては高い身長。 周りの子達とは確かに違う。 大人達は綺麗だとか誉めてくれてたけど、学校では浮いた存在。 高い背がコンプレックスだった私は、常に背を丸めて少しでも小さく見せようとしていた。 同級生の顔を見下ろさない為に、猫背の状態で軽く会釈する程度に留めていた。 それが何時しか陰気な性格に思われ、私に話し掛ける同級生は一人も居なくなった。 逆に家ではありのまま、猫背を止めて普通に過ごしていた。 お出掛けも普通の状態で。 それがたまたま同級生に見られたのだろう。 外では調子に乗っているとか陰口を言われられ始めた。 また、父ちゃんが護身用にと、魅鬼を憑かせてくれた事も災いした。 多少霊感がある同級生にはうっすらながら魅鬼の存在が視えるらしい。 魅鬼もまだまだ子鬼で、私も制御なんかできない状態。 よって姿を完全に消す事ができない。 私は幽霊が憑いてる子と気味悪がられる事になった。
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