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子供達は皆仲良しだった。
私と同じようにイジメられていた子がいたかは定かでは無いが、どこも似たような境遇。
だから水谷総本山では子供達はみんな仲良しだったのだ。
友達と云えば父ちゃん母ちゃんの友達の子供達だけと言っても過言ではなかった私は、水谷総本山での集まりが楽しみで楽しみで仕方無かった。
大人達もお年玉をくれるし。
私は此処で本当に明るく笑う子供に戻る。
ちゃんと背筋も真っ直ぐ伸ばして。
よって他の子達も、私がイジメられている事など解らない。
でもそれで良かった。
少ない時間だけでも普通に笑って遊べたから。
そんな時、常に子供達の中心に居た女の子が声を掛けてきた。
静「ゆりあ~…学校辛い?」
心臓が凍り付かんばかりに驚いた。
誰も知らない筈なのに、と。
友里亜「え~…ロゥが何か言ったん?」
心当たりはそこしか無い。
笑ってごまかすように聞き返した。
静は首を横に振り
静「『聞いた』からさぁ…だから間違い無いでしょ?」
私は暫く静の顔を真っ直ぐと見た。
………成る程、『聞いた』んならごまかせない…
私は顔を伏せて、学校でのイジメを話した。
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