あの時の二人

5/55
前へ
/240ページ
次へ
静は黙って聞いていた。 相槌も打たずに、ただ真っ直ぐ私を見ながら聞いていた。 一通り話した後、徐に立ち上がる。 友里亜「ど、どしたん静?」 非常に非常に嫌な予感がした。 静はあっけらかんとしながら 静「そんなの仇取りに行くに決まってんじゃん。」 と、さも当然に言い放った。 当然半泣きしながら止める私… 友里亜「ダメだよ!父ちゃんや母ちゃんにバレちゃうじゃん!!」 静は『そこだ』と云わんばかりに指を差した。 静「おじさんやおばさんに言えないんでしょ?心配かけるってさ。んじゃ私が暴れたら問題ないじゃん。」 もう最高に意味が解らなかった。 イジメているのはクラス全員と云える。 大体40人位だ。 40人全てに対して暴れると云うのか? 静は確かに霊力は高いが、身体能力は普通の子と変わらない。 むしろ私の方が高いくらいだ。 友里亜「返り討ちにあっちゃうじゃん!!」 言わなきゃ良かったと云う後悔の念と共に必死に止める私。 静は やると言ったら必ずやる。 例え結果が惨憺たる物になろうとも、だ。
/240ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29178人が本棚に入れています
本棚に追加