あの時の二人

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この騒ぎを聞きつけた大人が駆け付けてきた。 当然問いただされる。 しかし、誰一人として口を割らなかった。 静「言わないと約束したから絶対言わない!!」 と、静が一番に拒否したから、他の子も倣ったのだ。 全員黙りの中、面白そうだと言って北嶋のおじちゃんが万界の鏡を掛けながら現れた。 静「パパ!私絶対言わないし、止めないからねっ!!」 喰って掛かる静だが、北嶋のおじちゃんの鏡の前には無力。 当然おじちゃんにはバレてしまう。 おじちゃんにバレたら父ちゃんや母ちゃんにもバレちゃう。 そしたらどんなに悲しい思いをするんだろう… 私は悲しくなって俯いて涙した。 そんな私の頭をポンポン叩きながらおじちゃんは静に言った。 北嶋「静ぁ、根絶やしにして来い!!」 先に来ていた大人達がポカンとおじちゃんを見た。 静「今から行っていい?タマに連れて行って貰っていい?」 静は静でおじちゃんが反対するとは微塵も思っていなかったようで、アシにタマの貸し出しを嘆願していた。 北嶋「おーいいぞ!つか、お前等も行くんだろ?小動物に運んで貰え。だが、奴等はただの運搬。間違っても担ぎ出すなよ!」 北嶋のおじちゃんの許しが出たなら、問題無い。 私の意思と反して、静達はイジメっ子討伐に意気揚々と出発しようと準備をし出した。
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