あの時の二人

12/55
前へ
/240ページ
次へ
北嶋「やれやれ、やっと静かになったか。大人の仕事はまだ早い。ガキの事情が終わってからだ。」 おじちゃんは一番近くにいたアーサーおじちゃんに父ちゃんを寝室に運ぶように指示して大人達を一室に集めた。 事情を説明するつもりだ。 そして静を先頭に庭に向かう私等。 友里亜…「え、え~っと…子供の事情が終わってからって?」 訳が解らないのは他の子も一緒で、一斉に静に視線を向ける。 静「だから、せっかく勇気出たんだから、友里亜も行こうよ!イジメっ子討伐に!!」 どよめく子供達。 委織「葛西のおじさまがイジメっ子とそのご両親に注意して終わり、じゃあありませんの?」 静「『聞いた』話しじゃ、終わらないみたいよ。イジメっ子は何でバラしたとか言ってもっと酷くなるみたい。」 成る程と頷く子供達。 『聞いた』のだから説得力が段違いなのだ。 リリム「じゃ、やはり全面戦争か?それならば大人達を巻き込んだ理由は?」 静「私達の乱闘で当然問題になるから、後始末を大人達にお願いしたって感じかなぁ?」 やっぱり乱闘になるのか… 父ちゃんには既に話した。 母ちゃんもおじちゃんから話しを聞く事になる筈。 だったら、私はもう我慢しなくていい… だけど、怖い。 相手は今まで私をイジメていたクラス全員なのだから……
/240ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29178人が本棚に入れています
本棚に追加