あの時の二人

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覚悟を決めて庭に出る。 既にロゥ達は待機済み。 ロゥが私に気付いて近寄って来た。 ―――友里亜…俺達はただ運ぶだけ…もしも負けそうになっても絶対に手を出さぬ…それでも俺を許してくれるか? 悲しそうな瞳で私を見るロゥ。 おじちゃんに言われなくとも、人間の子供には手を出す事はできない。 それは人間に仕えているのなら最低限の契約とも云える。 友里亜「もちろんだよロゥ!つか、絶対負けないし!!」 ちっちゃい頃から一番近くに居たロゥ。 父ちゃんや母ちゃん、魅鬼よりも、一番私の近くに居た。 私が辛い事を絶対に知っていた筈。 それでもずっと耐えて、私の傍に居てくれた。 私が辛いのならロゥも辛い。 だけど、それも終わる。 友里亜「今日から私が学校のトップだ!!」 拳を天に掲げて改めて決意した。 委織「イジメっ子は学校の番長か生徒会長か何かですの?」 友里亜「…いや、単なる生徒な筈……」 リリム「ではトップとか関係無いだろう?」 友里亜「…いや、決意表明と云うか、気合いを入れていると云うか……」 …何か気合いが空回りしているような… つか、味方に肩透かし喰らっているような? 激しく首を捻っている最中 静「んじゃ、イジメっ子討伐部隊友里亜隊!出発ぅ!!」 静がタマに乗って空に指差す。 それに呼応し、それぞれの神獣、聖獣、魔獣に乗り込む仲良し達。 私も激しく首を捻りながらロゥに跨がった。
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