あの時の二人

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先頭で駆けるロゥ。 それに連なるみんなだが、考えてみると物凄い絵だ。 神殺しの魔狼を先頭に、国滅ぼしの大妖、九尾狐や、神の使いの八咫烏、聖獣黄金のグリフォンやら飛竜やら… 友里亜「その気になったら国一つくらい楽勝で制圧できそう……」 薄ら寒くなり、身体を震わせる。 ―――不思議な縁だ。俺を含め、奴等も基本的には人間に仕えん。むしろ単騎もしくは群の長として名高い者達ばかりだ。 ロゥも楽しそうに唸る。 基本的に敵同士のロゥ達が、子供を乗せてイジメっ子を倒しに行く為の移動手段になるとは、遥か昔には想像した事すら無いだろう。 友里亜「北嶋のおじちゃんがキッカケって聞いた事あるけど?」 元々居たヴァチカンのステッラとかは兎も角、北嶋のおじちゃんがタマを飼った事から色々始まったと聞いた事がある。 ―――キョウは対抗する為に俺をわざわざ解放したからな。他の連中も似たり寄ったりだろう。最初はいけ好かない連中だったが、九尾狐の不遇を聞いて、同情した我等が慰めてを繰り返していたら、こんな大所帯になったのだ。 確かにタマを中心にみんな結束が固い。 北嶋のおじちゃんが中心だからタマも中心なのかな? そう言えば子供達の中心も静だなー。 母ちゃん達の中心も尚美おばちゃんだしなー。 北嶋家はつくつぐ凄い。 『あの人』もそうだし。 そんな事を考えていると、私の通っている学校が目に映った。
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