あの時の二人

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静「あれだよね学校?」 コクンと頷く私。 取り敢えず人目につかない、学校脇の小山に降りる。 友里亜「…そう言えば学校冬休みだよ!誰もいないよ!!」 私等は新年会で水谷に集まったんだし、みんな正月休みじゃん!! と、一人で身体いっぱい動かして突っ込んだ私。 静「呼べばいいんだよ。」 友里亜「あのね、私はイジメられてんのよ?クラス全員から。そんな私がクラスメイトの連絡先知ってる訳無いでしょうがっっっ!!」 物凄くカッコ悪い逆ギレを咬ます私。 色々吹っ切れてキャラが崩壊しつつあった。 静「大丈夫だよ。タマ。」 静がタマを呼んでゴニョゴニョと話している。 ―――40箇所か…少し時間が掛かるぞ? 静「今日中だったら構わないけど、時間合わせて集めてね。イジメっ子集団対友里亜隊って図式だし。」 ―――そうか。ならば3時間後に校庭でいいな? 静「うん。よろしく~。」 静が手を振ると、タマが疾駆して消えた。 友里亜「え?どうすんの静?」 静「イジメっ子全員に幻覚掛けて校庭に呼び出すんだよ。」 友里亜「だから、私はイジメっ子達の連絡先知らないってば!」 静「『聞いた』から大丈夫。イジメっ子達の方も『教えてくれた』から簡単だったらしいよ。」 イジメっ子達側も私等に味方したって事? いや、違うな… これ以上罪を重ねさせない為に協力したって事かな? んじゃ色々手加減しなきゃならないなぁ… 「軽い怪我程度で止めとけって事だね。了解!!」 仲良し達が静に向かって敬礼する。 慌てて私もそれに倣った。
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