あの時の二人

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瞬く間に制圧していく『同門』。 武術を習っている子もいるし、凄いお金持ち故に護身術に長けている子もいる。 『同門』はそれぞれの目的をちゃんと持って日夜努力している子達。 毎日を前にならえで過ごしている普通の子に遅れを取る訳がない。 ましてや弱い者を見つけて大人数でしか戦えない者に負ける事は絶対に無い。 私はイジメの中心に居る女子にゆっくりと近付いて行った。 その子は涙目になってへたり込み、ただ私が近寄って行くのを震えながら見ているのみ… 友里亜「……いつもみたいに小突いたり、みんなを煽って悪口言ったりしないの?」 顔を背けてだんまりを決め込んでる。 おかしいね。まだ誰もアンタに仕掛けて無いのにね。 何で脅えるんだろうね。 じっと見下ろしながら手を伸ばすと、ビクッと身体を硬直させて泣きながら謝罪し出した。 「ごめんなさい!ごめんなさい!私本当はやりたくなかったんだけど!みんながやれやれって言うから!!」 友里亜「は?みんなが?嘘つくなよ。私は知ってるんだよ。アンタが張本人だってね。」 この期に及んでのクラスメイトへの裏切り。 まぁ、自分が一番可愛いのは理解できるから解らなくも無いが、後々どう立ち回るのかが見ものかも知れない。
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