あの時の二人

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会場から脱出し、精一杯伸びをする私。 リリス「ふふ…そんなに苦痛だったか?」 リリム「苦痛でした。つまらないんだもん。でも宜しいのですか御母様?」 リリス「ふん。財政界に媚びを売らずとも、ロックフォードは元々私の邪眼で栄えたコングロマリットだ。例え大統領とて私を懐柔する事ができるか。私は私の好きにするさ。」 世界最高峰の悪魔使いとしても名高い銀髪銀眼の魔女は、誰にも従わずに守る物はちゃんと守れると自信満々に笑う御母様。 御爺様でも御母様には本気で逆らえない。 強さとは色々あるが、御母様は全ての強さを持っている。 私の尊敬する御母様だ。 嬉しくなって、腕にしがみつく。 リリス「おいおい…歩きにくいだろう。」 リリム「ここは私の特等席です。ここは私だけの物…そうでしょう御母様?」 リリス「やれやれ、少し甘やかせ過ぎたか。」 苦笑いするも、振り払う事をせずに共に歩く御母様。 私は御母様にしがみついた儘、御母様の行き先に従って歩いた。
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