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恵美side
『結婚しよう』
一昨日言われた言葉
正直、もっと先の事だと思ってた
だって司の時は5年目でやっとそろそろかなぁ…って考えるくらいだったもん
別に幸人さんに不満とか全然ないし、私のことちゃんと愛してくれてるって実感してるし、私も彼に好きだって伝えてる
でも私のそれは幸人からもらってる好きの何分の1でしかない気がする
「おいドブス、お前誰の許可得て俺たちの愛の巣に入ってやがる」
「ゆかりさんからOKもらったもん」
「……仕方ねぇな…。で、何しに来た」
「お兄ちゃんさ、どうしてゆかりさんにプロポーズしたの?…痛っ!なんで叩くのよ!」
「お前が下らねぇこと聞くからだろ、なんだオッサンからプロポられたのか?」
「………」
「マジか?」
「…うん」
「良かったな、ドブスなお前でも嫁にもらってくれるヤツが居て」
「失礼ね」
「そうよ恵太さん。恵美さんとっても可愛らしいのに何でそんなこと言うの?」
2階から降りてきたゆかりさんは、出産したとは思えないくらい細くて羨ましい
お兄ちゃんがパパとか想像できないなぁ
「フン…チビ助は?」
「さっきやっと寝付いたところ」
「そうか、お疲れ。コーヒー飲むか?」
「お茶の方が嬉しいな」
「ん」
キッチンに立ったお兄ちゃんと変わって私の正面に座ったゆかりさん
「羽山様は恵美さんが大好きで、恵美さんも羽山様が好きなんでしょ?何で悩んでるの?」
「だって…」
「だって?」
「幸人さんからの好きが大き過ぎて…私はそれをちゃんと全部返してあげられる自信がないもん」
「それでもいいじゃない」
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