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「グルルルル・・グルァー!」
アントロード達は牙をカチカチと鳴らし、頃合いを見たのか、鋭い爪を突き出し、一斉に襲いかかってきた。
春香(誰か・・誰か、助けて!!)
春香は身を屈め、自らの死を悟りつつも神に仏に祈りを捧げ続けた。
その時、
?「タァァァー!!」
アントロードが春香に襲いかかろうとした瞬間、一台のバイクに乗った生物が廃工場の壁を猛スピードで突き破り、アントロード達を真横に突き飛ばした。
春香「あ・・あぁ。助かったぁ。」
春香は抑えていた涙をボロボロと流し、ペタンと地面に座りながら言った。
?「大丈夫か、君?」
と、バイクに乗っていた生物がバイクから降りると、春香の肩をトントンと叩きながら言った。
春香「はい、なんとか大丈夫です。・・あの。あなたは一体・・。」
春香はゆっくりと立ち上がり、その緑色の生体装甲に金色のラインが入った体に、赤い目をした人物を見ながら名前を尋ねた。
ZO「俺はZO。仮面ライダーZOだ。それより、この町は危険だ。君は早くこの町から逃げたほうが良い。」
春香「で、でも私、もう行くあてが・・」
ZO「そうか・・ブリンガー、彼女を俺の家まで乗せてってあげるんだ。あと、君の名前・・天海春香君で良いんだよね?」
春香「え?どうして私の名前を。」
ZO「超能力のおかげって言った方が分かるかな。あと、君にこれをあげるよ。もし、君の身に何かが起こったら、必ず役に立つハズだ。」
とZOは春香を抱きかかえ、自分のバイク「ZOブリンガー」に乗せてあげると、バイクに挟んであった一枚のカードを取り出し、制服の胸ポケットに入れてあげた。
春香「えっと、コレは一体。」
ZO「行くんだ、ブリンガー!早く!」
ZOはブリンガーに指示を送ると、ブリンガー自らエンジンをかけ、フルスロットルで廃工場から脱出していった。
春香「きゃああああ!」
春香は目も開けられないくらいのスピードに耐えながら一生懸命ハンドルを握りしめ、徐々に町から遠ざかっていくのを耳で感じていた。
ZO「・・これで良かったんだ。これで。」
ZOは先程吹き飛ばしたアントロードや外にいたローチ達が全て自分の所に集まってきているのを感じ取ると、拳をギリギリと握りしめ、口元にある牙のような器官をせり出しながら余剰したエネルギーを放出し、ぞろぞろと群れをなして詰め寄ってくるアントロードやローチを一体一体ごり押しでぶっ倒しながら自分自身に言いかけた。
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