第1幕 幕末の京へ

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……慶応4年5月。 沖田さんのいる、千駄ヶ谷の植木屋の納屋に到着。 ちょっと、いつどこに行きたいか念じれば行けちゃうなんて本当に、便利な懐中時計だよね。 ?『ゴホッゴホッ……』 うわ、びっくりした。いきなり、けたたましい咳き込みが聞こえてきたから。 確か沖田さんは肺結核で25っていう若さで亡くなったんだっけ? ガララ………。 え? ?『…………』 茜『…………』 うわ、見つかっちゃったよ。 天界の資料によると、この人が沖田さんか。 …想定外だったな。まさか部屋から出れるとか、動き回れるとは思わなかった。 ………いや、ずっと寝たきりの人とか死ぬ前に一度目が覚めるとか、そういうもので、この人も死ぬ直前なのかな? 沖田『…………』 ……なんか驚き過ぎじゃない? 見ず知らずの人がいるんだよ?咳止まってるんだからさ。何か話さないとわからないじゃない? ………そして、お願いだから私を知ってるような目で見ないで。土方さんに引き続き、誰かと私って似ているのかな? あー、何だか無性にこの仕事したくなくなってきた。 沖田『君は……』 茜『私はあんたなんか知らないけど?』 ……って条件反射で答えたけど、今の問答、凄く不自然なものだよね?
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