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私は物を壊さないように刀を振るいながら、清真に近づいていく。
この日本刀は私が気づいたときから持っていたもので、多分生前の私のものだと思う。
清真『うわー。普通、丸腰の相手にそこまでやる?
というか、また腕上げたんじゃない?ホントに辞めてくんない?僕が疲れるじゃ
茜『黙れ。呼吸も何一つ乱れてないヤツが』
清真『さっきから台詞の途中で話さないでよ。僕がそんなに悪いことしたっていうの?』
茜『へーぇ。自覚ないんだ。驚い
?『あぁ。ホントに驚くよなー、お前らは自覚がないんだもんなぁ?いい度胸してんじゃねぇか』
清真『あ、翔さーん。どうしたんですか?何怒ってるんです?』
この人は事務長の翔さん。いつもは静かな人なんだけど怒ると人が変わる。
面倒な人に見つかったな……。
翔『やかましい!!お前らがガタガタうるせぇからだろうが!!』
こんな人でも上司は上司。作り笑いで対応する。
茜『すみません、翔さん。清真がいつにもなくムカついて』
翔『お前らはガタガタ事務所でうるせぇんだよ。
……そうだな、舞原。お前ココに来て半年たったよな。長期の仕事やってみるか?』
茜『え。嫌です』
翔『お前に拒否権はねぇ!!つべこべ言わず支度してこい!!』
え……マジで…。
こうして私の初の長期の仕事が決まった。
ベシッと投げつけられた資料のタイトルを見ればこう。
……―――『world9 配属先:西暦1863年 文久3年 2月 日本 京』
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