第1幕 幕末の京へ

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茜『では行ってきます』 事務所の数人は仕事に出てて翔さん、彦さん、そして清真が見送ってくれることになった。 彦『おぅ!!気をつけてな』 翔『……気をつけて行ってこい』 清真『……新選組が女人禁制だからって袴なの?というか直ぐに女ってバレるよね?』 茜『……さっきから何?』 清真『別に………』 茜『そう。じゃあまた』 ツンッ ……本当にさっきから何?こいつは。嫌味を言い出したと思えば着物掴んで転ばせようとするし。 清真『……絶対に』 茜『は?』 清真『絶対に怪我して帰ってこないでよね。危険そうだったら帰ってきてもいいから』 茜『あ、もしかして心配してくれてんの?槍でも降ってくるかな?』 こいつに限って、私のことを心配することはないと思うけど。 清真『……………。 …全く。可愛くないなぁ。そうだ。茜は僕らの事務所は八部衆でなっていて……。 天、龍、夜叉、 乾闥婆、阿修羅、迦楼羅、 緊那羅、摩こ羅伽の 夜叉がいない事は知ってるよね?』 茜『…知ってるけど?私が来たから事務所は8人になったけど、私は人間だし』 清真『その「夜叉」の枠だけど、実は前から夜叉衆から決まってるから空いてるんだよね』 茜『……だから?私はこの仕事が終わったら、その夜叉に任せるから来なくて良いって言いたいの?』 清真『まさか。茜はここでずっと働いてほしいな』 茜『………何が言いたいの?』 清真『別に。…じゃあ気をつけてね。行ってらっしゃい』 茜『…行ってきます』 そういうと私の着物から手を離した。 ―――こうして私は意味がわからないまま、仕事に向かった。
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