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次の日から、昇馬によるライジングサンの調教が始まった。
…始まったのだが…昇馬は馬体にばかり気をとられて忘れていた。この馬の気性の悪さを。
昇馬の指示を全く聞かない、とにかく真っすぐ走らない。
昇馬が力任せに手綱を引くと、その力以上に引っ張り返す。
その繰り返しだ。昇馬は調教後、いつもへとへとになっていた。
なぜ去勢しないのか?と辻に聞いたこともあったが馬主が血統を惜しんで反対しているらしい。
「クソっ!未勝利のくせに生意気な駄馬だ!」
昇馬はライジングサンに言い放つが、自分も未勝利だったりする。
未勝利騎手が未勝利馬の調教…しかも聞けば来月のレースで勝てなければ引退させるようだ。
昇馬はバカバカしさを感じていた。
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