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そしてレースとなり、昇馬はコクオウ号に跨がった。
このレースは500万下の競争で距離は1600m。
やはり断然の1番人気。
単勝1・1倍というほぼ元返しのオッズだ。
テン乗りでも問題無い馬と聞いていたので昇馬は安心していた。
乗ってみると確かに素直で良い馬だが、いつも調教しているライジングサンと比べるとなんとなくイマイチな感じが…まあ、気のせいだろう。
昇馬はパドック周回と返し馬を終えてからも、初勝利確実な状況で気持ちが浮ついていた。
それはゲートに入ってからも…勝ったら祝杯を挙げてもらおう。
などと考えていたら…ガシャン!と音を立てゲートが開く。
「しまったっ!出遅れたっ」
と後悔しても、もう遅い。
昇馬とコクオウは大きく出遅れてしまった。
「クソッ!追わないと!」
昇馬の手綱にコクオウは素直に答えて加速する。
…すると、大きく出遅れたはずなのにすぐ後方の馬に追いついた。
これがコクオウの能力か…昇馬は内心ホッとした。
これなら出遅れても勝てそうだ。
でも…なんか変だ。
昇馬が進出を開始しようとすると他の馬もペースを上げる。
しかし差がつくわけでもない…つかず離れずのままレースは続いた。
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