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小さいときから、この家を出るのが夢だった…。
仲の悪い両親に、母を殺してしまうんじゃないかと思うような、暴力。
日本刀を振り回す父親。
離婚してほしいと言ってもしない母も、最低限の生活費しか入れない父親も大嫌いだった。
一人暮らしをしたいと、稼いでも、反対されていた。
だから、
とにかく家から通えない場所で働くのが一番だった。どこでもよかった。
東京採用がバレたら、反対される。
さっさと、話を進めなきゃ。
急いで、会社へ電話をした。
総務の女性が、採用のことを話し、意思確認と最短でいつこれるのかと聞かれた。
「一週間もあればいけます」
と告げたものの、
寮の手配があることと、給料計算の関係から、約2週間後からの採用になった。
話の最後に、
「本部長があなたをすごく気に入って、だから、連絡とれないことをすごく心配してたのよ。よかったわ。」と。
あんな出で立ちで、あんな話の内容で、なぜ気に入るのかよくわからなかった。
でもいいや。。家を出られる。
それだけがすごく嬉しかった。
早速、和田さんにも東京支店の人にも電話をした。
もうすぐいくよ!って。
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