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採用の電話から3日経った日、
家に帰ると、母の様子がおかしかった。
なんだ?と思ってたら…
「あ、あんた…東京いくってほんとなの?」
あれ?なんでバレたんだろ。
「そうみたいだね。なんで知ってるの?」
「東京の偉い人から電話がきて…娘さんを東京に預からせてもらうからって、寮もあるし、心配しなくて大丈夫だからと、挨拶の電話がきたんだけど」
と、半分取り乱していた。
「そうだよ。で、なんて言ったの?」
内心…そんなの聞いてませんから、お断りします!なんて言ったりしてないか、焦った。
「知らなかったとは言った。あんたほんとにいくの?やめなさい!一人で生活するなんて、しかも東京なんてわからないのに、無理だよ」
「でも、行くと言ったし。あっちは準備進めてる。それに寮で寮費1万だよ。ダメだと思えば帰る。でも、決めたから行く。あと10日でいくから。引っ越し代も飛行機代もでるから大丈夫。」
…母は観念したみたいだった。
言い出したら、ここまできっぱり私が言ったら、きかないのはわかっていたから。
それと、先方に迷惑をかけるということが、観念に拍車をかけたのだろう。
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