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駅から五分ほど歩くと、部長さんが指をさした。
「あそこですよ」
古くて、大きいコの字型のマンション。
…え?あれ?普通のマンションじゃない?
要は会社でマンションの一室を何ヵ所か持っていて、2~3DKを二人で使うということだった。
イメージしてたのとは違うけど、一人暮らしに近い感覚。
部屋に入ると古いこともあって薄暗い感じ。
一緒に住む人は、やはり北海道の人で、2週間後に入社らしい。生活に必要なものも備えてある。
私が先だから、「好きなほうの部屋を選んで!」と言われた。
陽当たりは同じ。少しだけ広めの方に決めた。
「三日前まで、営業部の工藤くんが使ってたから、不自由はないとは思うわよ。何か困れば、工藤くんに電話するといいわよ。」
私達が入社することで、寮の移動をしたらしい。
工藤さんは、聞いた話だと札幌出身らしい。
まあ、でも…顔もわからないし、いくら同郷でも、電話はできないな。
意外に人見知りな私。
「すみません。ありがとうございました。色々と」
「朝礼があるから、8時半にはきて、着替えもあるからね!」
そう言って帰った。
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