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｢井上さん、どう？朝礼をみた感じ｣
｢びっくりしました｣
｢うちはよその会社に指導をしている立場。だから、私達はすべてお手本じゃなくてはならない。わかるね？｣
｢はい｣
…ここまでとは思ってなかったけど。
｢私は、基本的に自分のことは自分でやる。井上さんには、必要なことを私から指示します。慣れないと大変だろうけど、わからないことはきちんと聞いて、私のスケジュールは把握しておいて下さい｣
｢はい！｣
…大丈夫かな。あたし。
｢それと…｣
｢はい…｣
｢その髪の毛なんとかならない？｣
え？あぁ。やはり言われたか。
ロングのソバージュ。髪が痛みやすいのか、細くて柔らかいからか…パーマを繰り返すと、色が抜けて茶髪になる。かなり明るい茶髪。
…やっぱマズイか。
｢染めてるわけではないんです。パーマかけるとこうなってしまって…黒く染めた方がいいですよね？｣
｢できればね。もしくは目立ち過ぎないように、どうにか考えて｣
｢はい。少し考えてみます｣
｢あとね、これはうちの社長の本。読んで下さい。読むと会社の考えやあなたのすべきことがわかるから。早めにね｣
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