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社長の書いた本には、人に対しての思いやりや、いかに相手が快く仕事を進められるか、気配りについて、それが自分や会社でどれだけ有益であるかについて書かれていた。
それらは、会社の中のシステムや社員の行動に顕著だった。
慣れない環境に戸惑いつつも、なんとか週末を迎え、東京支店のお兄さん的な岡さんと、性格はきついけどたくさん助けてくれる北川さんと新宿で飲むことになった。
私は二人のことを慕っていた。
まだ、この時もまったく、後に旦那となる和田さんには何の意識もなかったし、飲みに行こうとお互いに誘い合うことはなかった。
北川さんは、みんなが恐がる位きつい言葉を言う女性だった。
でも、反面の優しい部分も私には見えていた。
大好きな憧れの女性だった。
私が秘書と言うと、ゲラゲラ笑って、本性だしちゃダメよ!秘書が口が悪くちゃ…マズイから。
「はい。」
…この会社にいたとき、私はよく東京の倉庫のおっちゃんと喧嘩をしていた。
出荷ミスなんかがあると、間に合わないような時は、平気で「飛行機チャーターして機械載せろよ!」なんて小生意気なことを言ってた。
…でも、それって北川さんから伝授された技。
負けるな!と。
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