幸せな時間

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私は、上司からのお見合いの話を、 当然ながら断った。 和田さんのことも、恭ちゃんと呼ぶようになった。 ただ、会社の人に、あえて彼ができたなんて話は、していなかった。 浮かれていた私は、鈍感さも相まって、 実は工藤さんが私を好きで、みんなが協力をしてたなんて、全く気づいていなかった。 よく考えたら…その年の新入社員の女の子が何人かいるのに、 一年交代の幹事の役が、『順番』で私に回ってくるなんておかしかった。 私はなんの疑いもなく、偶然順番で一緒になった幹事の工藤さんと、社内行事のための下見にいったり、景品を買いにいったりしていた。 社員旅行では、同年代の人達みんなで、遊園地などを楽しんで… そこには工藤さんも当然いた。 乗り物が苦手だから嫌だといっても、 工藤さんが「大丈夫!幹事がのらないでどうする(笑)無理矢理のせるし!」 と、私の手を引いて… 示し会わせたように、女の子も私に「大丈夫!のるよ~」と手を引きながら、 工藤さんのとなりに… それでも気づかない私。 なぜだか気づいたのは… その夜の宴会でだった。
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