ｄｖという鎖

幸せな時間

｢えーっ。私事ですが！｣
工藤さんが、締めの挨拶をしだした。

静まり返る会場。

社員とその家族…百人近い面々が…工藤さんに注目する。

少しだけ、酔ってる工藤さん。

｢えー私、工藤隆弘は、みなさんの前で、宣言します。今年中に好きな人を射止め、来年には結婚します！｣

みんなが、ヤジをとばす。声援を送る。

私は、内野課長のことだと思って、｢すげー、勇気あるな(笑)みんなの前で結婚宣言しちゃうんだ｣
と、感心してた。

なのに…
みなは私をみてる。

工藤さんも。

意味がわからなかった。

隣にいた、飯野課長が｢あ～井上ちゃん…告白されてるよ。工藤くんから。大胆に(苦笑)｣

…え？え？

｢え？工藤さんて、内野課長と付き合ってますよね？｣

｢ばっかじゃないの～？付き合ってるわけないじゃん(笑)工藤くんが好きなのは井上ちゃんだって…みんな知ってるよ｣

え？知らないよ。
あたし。
工藤さんに告白もされてないし。

やばい。こんなことになってるなんて。

反対されてた旅行に来て、こんな落ち…恭ちゃんにはいえない。

工藤さんに私…どうしたらいいんだろ。